カミセン 向井裕紀弘 少年愛小説


息苦しさを感じて目を開いた途端の一征のアップに、ひかりは激しく動揺した。と―――そんな二人の会話を遮断するかのように、岡野がきつい口調で言う。

まるで小学生や中学生がするような恋をしていると自分でも自覚している。今までは相手に対して大した執着もなかったので何も言わなかったのだが、南を狙われてはそうもいっていられない。

「…あいつは…たぶん、本気だ。高田の中森に対する気持ちは、純粋で、暖かくて…その…うまく言えないけど、たぶん、それが恋なんだと俺は思う。だから決して逃げないで、あいつの…高田の気持ちを受け止めてやって欲しいんだ」。「ほんとに?でもちょっと短いかなって思って。襟足も結構短くなったから寒く感じて。ほら…」。鷹司はあきらかに動揺しており、水を求めて出ていこうとする桜庭を強引に抱きとめた。「………」。沢村とともに《婆娑羅》の企画に携り、毎日目が回りそうなほど忙しかったから、こんなにゆっくりするのは何週間ぶりかすらわからなくなっていた。言われ慣れているとはいえ、柾に言われると、バカにされているようでむかつくのだ。

「今までだって許してたわけじゃないよ。ただ、僕のほうがずっと達郎のことを好きだったから、気まずくなりたくなくて何も言えなかっただけだ。……僕は臆病だからね」。

「ここに来た目的を話す。まずはそこに座れ」。「ちょっと待てよ。ホント冗談じゃないって。俺はマーちゃん一筋に生きてきた男だよ。……もしかして、俺のこと信じてないわけ?」。矢沢の唇が離れて、高野の唇を指で触った。イギリスではこの時季、六時ならまだ昼間のように明るいのだが、天気が悪いせいで今日は薄暗い。その間もずっとキスされて、広海の頭が、ぼーっとなってきた。そろそろ高木に辟易していた隆幸はその肩にかかった腕を煩そうに払った。少なくても、頻繁に…、あるいは長時間見つめていればカイゼルから受ける衝撃は薄らぐ。

偶然だと言ってやりたくても、さすがに理性が邪魔をする。処理用の黒いジャンプスーツに着替えていた龍星とルキヤは、いきなり桜庭が飛び込んできて鍵を掛け、鷹司と怒鳴りあいになったのに驚いた。念を押した凌馬に、拓哉は首をかしげて答える。夜が遅いから。


ボーイズラブ小説作品紹介


「ビデオと同じことしようぜ」。そんなセリフから始まった、俺、水澤倫章と真崎史彦の高校時代から十年続くHな関係。今は真崎の結婚披露宴、真っ最中。ついに俺たちの関係も終わる。そりゃ永遠に続くなんて思っちゃいなかったけどさ。でもやっぱり俺をこんな席に座らせて幸せを見せつけるなんて許せないっ。「真崎のバカヤロー」。けど、今日もアイツは